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HOME > 2012年4月-6月(No.1) > 連載 > 品質奨励賞への道(GSユアサ) Part1

日本品質奨励賞への道 第1回GSユアサ Part1インタビュー 経営統合の実をあげるために取り組んだTQM 本格導入で「世界ナンバーワン品質」めざす (株)GSユアサ 理事 産業電池電源事業部 産業電池生産本部長 村尾修氏

同じ人が同じ距離を走る時、二人三脚では1人の時より遅くなる。少しでも早く走ろうと思えば、2人の呼吸を合わせ、足並みをそろえることが大切だ。単純な運動種目でさえそうなのだから、成り立ちも文化も異なる別々の会社を1つにする時の苦労は並大抵ではないだろう。社内の足並みの乱れは、製品やサービスに色濃く反映されるからだ。社会性を強く帯びた製品を手がけるような製造業であればなおさらである。「2011年度日本品質奨励賞 TQM奨励賞」を受賞したGSユアサは、統合事業会社という事情を前向きに捉えて取り組んだ積極的かつ継続的な活動成果を評価された。対象組織である産業電池電源事業部・産業電池生産本部を率いる村尾修本部長に、基本的な姿勢や先行きの展望などを聞いた。

単なる融合から、より実効力のある統合へ

―統合事業会社であるGSユアサの源流を遡ると、1917年設立の日本電池と1918年設立の湯浅蓄電池製造にたどりつきます。前者が1933年に「ガラス製水銀整流器」を手がけると、1935年には後者も「水銀整流器」の製造をはじめるなど、よきライバルであったわけですね。

村尾氏(以下略):それぞれが国内の蓄電池事業を牽引し、国際的にも通用するビジネスを展開してきたのは事実です。日本電池が1954年に「電気車※1用・据置用ファイバークラッド式蓄電池」を市場投入すれば、湯浅乾電池と合併して新発足した湯浅電池も同じ年に「ガラス繊維クラッド型陽極板使用蓄電池」を量産販売。1983年にはそろって「据置用制御弁式鉛蓄電池」を開発しています。

1993年、日本電池が「角型リチウムイオン電池」を世に問えば、1998年、旧湯浅電池のユアサコーポレーションが「超薄型リチウムイオンポリマー二次電池」で一矢報いるというように、その時々で互いに認め合い、切磋琢磨してきたという歴史を重ねてきたのです。

―その両社が2004年に経営統合を果たしますね。

やや沿革的な説明になりますが、日本電池とユアサコーポレーションが経営統合して、持株会社「ジーエス・ユアサ コーポレーション」を04年4月に設立しました。6月には傘下に12の事業子会社を設立。2005年4月から2006年3月にかけて、各事業子会社と事業部門単位でISO 9001の認証の統合を進めました。

2008年には、事業子会社の1つである「ジーエス・ユアサ パワーサプライ」の電源システム生産本部が一足先に日本品質奨励賞を受賞しています。

そして2010年4月、「ジーエス・ユアサ コーポレーション」の管理部門の一部と主要事業の子会社を集約し、「ジーエス・ユアサ パワーサプライ」を承継会社として設立されたのが統合事業会社の「GSユアサ」です。

―今回の受賞対象となった産業電池生産本部の位置づけは。

産業電池電源事業部が統括する8つの本部の1つで、産業用電池や電気車用電池の設計・開発、製造などを担当しています。従業員は約400人(社員250人、構内外注150人)。同事業部に占める売上比率は約58パーセント、金額ベースでは約360億円の規模です。

―貴本部がTQM活動に取り組まれた背景をお聞かせください。

大きく分けると2つの段階があります。まず、経営統合直後は生産拠点の統廃合や生産品種の統廃合といった課題が立ちはだかりました。誰でもわかるように、歴史も製品も似た2つの会社が1つになると、必ず重複する部門や仕事が出てきます。ですから、不要な部門や仕事、製品などの見直しは急務です。この作業のために、2004年度から原価低減や品質向上などにねらいを定めた「統合プロジェクト活動」「VIP活動※2」「品質向上3ヵ年計画」に取り組みました。

一連の活動で、2008年度を最終年度とする「第一次中期経営計画」のうち、生産拠点や生産品種の統廃合にかかわる目標は達成することができました。いわば、融合という基本的な部分での基盤づくりは所期の目標をクリアしました。

しかし、原価低減や品質問題に対する効果は、必ずしも満足できる内容ではありませんでした。経営課題達成のための活動が十分でなかったからです。

―二人三脚で互いの右足と左足をタスキで結ぶところまではうまくいった。

そこで、第2段階として2009年度にTQMの本格導入を行い、方針管理の仕組みを強化しました。2010年度には「TQM活動強化宣言」を掲げ、経営課題の達成に組織をあげて取り組むことにしました。本部内のすべての組織に横串を刺し、部門間業務を管理することで、産業電池生産本部の総合力を発揮できる体制を整えるのがねらいです。

活動のよりどころとしたのが「(年度)産業電池生産本部方針書」です。この方針に沿って経営上の重点課題(経営課題)を明確に定め、目標必達に向けての意識を部門内で展開できるようにしたのです。

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