クオリティマネジメント Quality Management

文字サイズ
  • 標準
  • 拡大
ログイン
掲載情報をメールでお知らせします。
購読申込
HOME > 2014年1月-3月(No.8) > 連載 > 「現場力」の変化を見る 第1回
連載 「現場力」の変化を見る 遠藤功 早稲田大学ビジネススクール教授 (株)ローランド・ベルガー日本法人会長
遠藤 功 氏
遠藤 功 氏

Webジャーナル『クオリティマネジメント』では、2012年No.2の特集「日本のものづくりの人の“力”を再考する」に引きつづき、遠藤功氏にインタビューする機会をいただいた。去る2013年6月6日から8日の3日間にわたって行われた「第96回品質管理シンポジウム」において、『日本品質と現場力』と題して特別講演をお願いした。シンポジウムでは、『世界最高技術と日本品質を極める人材育成~持続可能な品質優位の経営~』(クオリティマネジメント No.6掲載)をテーマに熱い議論が行われた。では、日本品質とは何を指すのだろうか。私たちは、グローバル市場の中での日本品質を改めて定義し、整理する時期にきているのではないか。日本品質を解きほぐして理解し、実践しなければならない。そのため、あらためて日本の現場力の変化について遠藤氏にお話を伺った。(聞き手:廣川州伸)

第1回

品質管理シンポジウムの方向性と期待

日科技連が主催する「品質管理シンポジウム」は、1965年からはじまり2013年で第96回もつづく永い歴史のあるシンポジウムです。2013年6月に行なわれたシンポジウムの冒頭の特別講演で、私も微力ながらお話をさせていただきました。すばらしい機会をえたと思います。いろいろ勝手なことも申しましたが、このシンポジウムは、もっと広く展開してもいいなという感想をもちました。

講演して議論している皆様は素晴らしい方ばかり。しかし、せっかく幅広いテーマで行われているのに、外からみた印象では、品質管理の専門家だけが集まって議論していると思われている。これはもったいないと思います。「イノベーション&バリュー=ものづくり」になるわけですから、日科技連のブランディングを含めて考え直す時期にきているのかもしれません。

品質が今も重要なことに変わりはありませんが、イノベーションを語る時、ともすれば品質が付け足しのように扱われてしまう傾向があります。本来、イノベーションと品質は切り離せません。イノベーションは革新的なテーマですが、これを正面から議論できる先生方や実務家を横断的に集めると面白くなるでしょう。

もっとも、日本の学会が横断的になっていないという問題があります。先生同士の世界では、それぞれの学会がバラバラに活動しています。私は学会には一切、所属していません。日本の学会では、なぜか同質的な人が集まって議論しているので、そこから新しい発想が出てくるとは思えないのです。海外でも学会はありますが、もっとオープンに議論が行われています。海外の一流といわれる雑誌にはさまざまな学会の人が参加します。そのようなオープンな環境の雑誌に論文を書くことで、はじめて認められるわけです。

日本の場合は、閉じられた学会という組織の中で論文を発表しています。それぞれの学会では、他の学会で何をしているかも知りません。それでは井の中の蛙になってしまう傾向がありはしないでしょうか。外部の人は誰も知らないような学会で論文を書き、仲間内で表彰しても誰も興味を示しません。横同士のつながりがないので、それぞれの学会が自分たちの立場を守っているようにみられてしまう。それゆえ横串が重要だと思います。学会同士で、もっとオープンにして議論を進めるべきでしょう。これは会社組織でも同じです。

日科技連も、品質プラスイノベーションや経営マネジメントのテーマで、広く募って投稿してもらえる場をつくるといいでしょう。品質を核にしながら戦略、サービス、組織、イノベーションなどを脱学会的に広いテーマにして産学で提案していく。学会の若い先生に「クオリティ&イノベーション」として産学連携、企業と連名で書いてもらってもいい。または、新しいタイプの論文を募集し、次世代の学者を育てていく。従来の学会の枠組みを超え、横串を刺し、融合して研究して提言する形です。

ここから先はログインID・パスワードをお持ちの読者様のみ閲覧ができます。

ログインID・パスワードをお持ちの方は、ログインしてください。

ログイン
購読申込

連載

全てを表示

年度別 INDEX

編集部だより Editorial department
読者の声 voice