クオリティマネジメント Quality Management

文字サイズ
  • 標準
  • 拡大
ログイン
掲載情報をメールでお知らせします。
購読申込
HOME > 2014年4月-6月(No.9) > コラム・エッセイ > 温故知新「品質設計」(第3回)
温故知新 石川馨先生からの時を超えたメッセージ

※ 掲載にあたり、現代仮名遣いに改めるほか、用字用語の統一や誤字修正を行い、読みやすさに配慮して再編集を行いました。
 

『品質管理』誌 1966年1月号 講義「品質設計」より品質設計とは(第3回)

品質設計の意味

1. 消費者の満足する品質

企業経営を成功裡に遂行するためには、その製品(またはサービス)の品質が“よい”ということがもっとも基礎的な要件でなければならないということは議論の余地はないだろう。

この“よい”ということを少し掘り下げてみよう。この“よい”ということを本当に言い切れる者は、その製品(またはサービス)をお金を払って買って使った者――消費者――以外にはありえない。このことはきわめて大切なことで、製造者やサービス業者は“よいはず”であるといえるのが関の山であることを銘記しなければならない。昔から設計者は品質に対する自信をもって、ことにあたってきたのは結構なことであるが、この“自信”が1つ間違うと“独善”に転落する危険があり、またそのような事例はこれまでにしばしば見受けられてきたのである。

品物(またはサービス)を買う際には、いかなる場合でも、その品物(またはサービス)が発揮するハタラキ――これを真の品質特性という――の1組に対して、その支払うべき代金の額(価格)に応じてある期待をもつのである。買って使ってみた結果その期待のとおりであれば、消費者は満足するのであって、この場合に消費者ははじめて“よい”と判定するのである。この“期待”が裏切られた場合には苦情やクレームがつけられたり、潜在クレームとなることはよく知られているとおりである。この“期待”の中には、当然のことながら、価格のことだけでなく、納期も含まれているということはいうまでもない。

この“期待”の内容は、買う者のその時点において持っているその品物(またはサービス)に関する知識によって定まるものであるから、この知識が変われば満足の程度も変わってくる。このことは、家庭用電気器具などで新型が出るたびに“もう少し待って買えばよかった”と思うことがよくあることでもわかるだろう。とくに、耐久消費財に対してはこのようなことが多いので、製造者がどのへんまで考えて品質(ハタラキ)を――もちろん価格とのバランスにおいて――決定すべきかということがきわめて重要なことになる。さらに、消費者の生活程度や様式、あるいは消費動向が変われば、よい品質は当然変化、進歩していくことを忘れてはいけない。

ここから先はログインID・パスワードをお持ちの読者様のみ閲覧ができます。

ログインID・パスワードをお持ちの方は、ログインしてください。

ログイン
購読申込

コラム・エッセイ

全てを表示

年度別 INDEX

編集部だより Editorial department
読者の声 voice