クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2014年7月-9月(No.10) > コラム・エッセイ > 温故知新「品質設計」(第4回)
温故知新 石川馨先生からの時を超えたメッセージ

※ 掲載にあたり、現代仮名遣いに改めるほか、用字用語の統一や誤字修正を行い、読みやすさに配慮して再編集を行いました。

 

『品質管理』誌 1966年1月号 講義「品質設計」より品質設計とは(第4回)

品質設計の考え方と問題点

1 はじめに

品質設計とは、本来製品の設計において、とくに品質に関する計画をさして呼ぶ語と解される。すなわち品質に関する計画(品質計画)の一部であるから、品質設計の考え方を問題とする場合には、まず品質に関する計画全体との関連を考慮しなければならない。JuranのQuality Control Handbookでは、電子部品の品質計画に対して、次の18項目を示している。それは、(1)市場調査、(2)性能仕様書の準備、(3)初期設計、(4)、(5)1次試作品の製作ならびに試験、(6)再設計、(7)、(8)最終試作品の製作ならびに試験、(9)検査ならびに試験法の記述、(10)材料規格の記述、(11)原価の査定、(12)生産と検査のための材料および工具の発注、(13)使用、捜査およびサービス用マニュアルの作成、(14)PRおよび広告の着手、(15)、(16)試作生産の実施とテスト、(17)誤差修正のための手直しの実施、(18)全計画生産の実施 である[1]。ここに示された諸項目から考えてもわかることであるが、品質に関する計画は大別にして

  1. 設計上の品質に関する計画(品質設計)
  2. 製造上の品質に関する計画(工程設計)
  3. 品質管理の実施に関する計画(品質管理計画)

の3者に分けられる。

品質設計は上記のように、工程設計ならびに品質管理計画とあいまって、1つの企業における品質計画の大網を形成している[2]。このように、品質設計の一部であるが、メーカーにおけるすべての活動は、そこで生産された製品(それに付随するサービスなどを含む)に結晶し、市場の評価を受けるものであり、その結晶を陽表的に表わす活動が品質設計にほかならないから、品質設計は品質計画の諸分野のうちでももっとも重要なものであるということができるであろう。このように、品質設計は設計上の品質に関する計画、すなわちmanagement functionであるが、その活動が具体化された結果は計画書ないし設計図となる。この計画書ないし設計図の中にはすべての設計をめぐる思考活動の所産が結実しているから、品質に関するそれも当然含まれている。われわれはそのような品質に関する結実を、品質設計という計画活動の結果として受取るのであるが、それが具体化された姿としては、個々の機械部品の形状、寸法、材料指定などとなり、または個々の使用原料、単位操作・装置指定、基本作業指定などとなって、他の生産要素(たとえばコスト)に対する思考結果と交錯して分離しにくい。したがって、これから品質に関するものを取出すためにはかなりの抽象化が必要となる。こうして品質設計の所産を品質に関して抽象化すると、それは品質に関する水準の設定に帰着する。したがって、われわれは品質設計の結実を品質水準の設定という形で受け止め、これを設計品質(quality of design)と名付けている。

このように考えると、品質設計というmanagement functionに対する考え方は、その行為とその所産としての設計品質との両者について考察しなければならないことになる。前者は計画活動そのものに対する考え方であるから、これは先に述べた品質管理計画中に広義の意味が含まれるが、後者は従来取り上げられなかった技術的問題を含んでいるので、あらためて考慮する必要がある。この意味で、本節では設計品質の設定問題に重点をおくが、品質設計活動の管理――それはいわゆる設計管理と、いわゆるTQC的活動の中に包括される――に対しても十分考慮する必要があり、またfunctionとその結実との全体に対して、品質計画の全活動の一部であるとの観点からの総合的考慮を忘れてはならない。

参考文献
[1]J.M.juran、ed(1962)『Quality Control Hundbook』、p.4-2、McGraw-Hill。
[2]もちろん1つの企業における品質計画はどこにウエートをおくかによっていろいろな分類や、強調面が生まれる。ここに示すものはその一例であるが、普遍的なものと考えてよいであろう。

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