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HOME > 2015年1月-3月(No.12) > コラム・エッセイ > QMコラム(第11回)これからの「働き方」と「人づくり」
[QMコラム]を連載します。

第11回
これからの「働き方」と「人づくり」

私たちの働き方は、今まさに大きな変化を遂げようとしています。戦後の成長期においては、働けば働くほど企業も個人も収入がえられる時代であり、ひたすら働きつづけることがステイタスをえる手段であり、美徳であったように私自身は感じています。そして、今日に至るまでに、携帯電話やインターネットなどの普及により、働くためのツールは進化しつつも、相変わらずの長時間労働に加えて、仕事の内容そのものも(後述の変化に比べれば)大きく変わっていないといっても過言ではないと思います。

人工知能が本格的に普及する社会の到来とともに、私たちの働き方に対する常識は根底から覆され、働く場は二極化していくものと予想されています。人工知能により、複雑な解析や統計処理を伴う計算は瞬時に解決するとともに、蓄積された膨大なデータも活かしながら最適な結論を導き出すことが簡単にできるようになります。これにより、オフィスワークや技能労働の多くは人工知能を搭載するロボットなどに置き換わっていくと考えられています。

こうした近未来の社会に身を置く働き方の1つめのパターンは、「人工知能の指示にもとづく労働」です。すなわち、「何を、いつまでに、どのように」のいずれも人工知能が最適策をもたらしてくれるので、ひたすら指示に従って行動すれば一定の成果をえられるようになります。

2つめのパターンは、「人工知能を活用する労働」です。人間が人工知能に勝ると考えられるクリエイティブな思考を活かして、人工知能を強力なパートナーと位置付け、より豊かな社会を形成していく分野が該当します。

リンダ・グラットン氏は、著書『ワーク・シフト-孤独から自由になる働き方の未来図〈2025〉』[1]の中で、2025年の働き方について、「漠然と迎える未来には孤独で貧困な未来が待ち受け、主体的に築く未来には自由で創造的な人生がある」と記しています。私には、1つめのパターンは前者で、2つめのパターンが後者であるように思えてなりません。つまり、人工知能の指示にもとづく労働は失敗がほとんどなく快適な一方で、考える力と人対人のコミュニケーション能力が失われ、人工知能に依存していく結果が待ち受けているように感じます。その対極にあるのが後者であり、私たちの進むべき道であることに異論はないと思いますが、そのために今からどのような働き方をしていかなければならないのでしょうか。少なくとも冒頭に述べた働き方、すなわち「今の仕事をひたすら働きつづける」では、仕事そのものが消滅した際に新たなキャリアを切り開く「創造力」などを培うことは難しいと感じています。

そうならないための重要なキーワードが「主体性」です。たとえば、

 
  • ICTに置き換えられる仕事はICT化し、効率化を進める
  • 効率化により生まれた時間を活かして、専門知識や創造力を研鑽する
といった取組みを、目的意識をもって自発的に進めることが必要であり、このような活動はQCサークルに代表されるように日本の得意分野であったように思います。今こそ、その本質を思い出し、来たるべき未来に向けて、より充実した、より豊かな人生を送るための「働き方の見直し」と「人づくり」のツールとして役立ててみてはいかがでしょうか。

 

(K.N.)

参考文献

[1]リンダ・グラットン(2012):『ワーク・シフト-孤独から自由になる働き方の未来図〈2025〉』、プレジデント社。

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