クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2015年04-06月(No.13) > 連載 >日本品質奨励賞への道(オージー技研(株))Part1

第15回オージー技研(株)2014年度日本品質奨励賞 TQM奨励賞

医療器機業界におけるTQM活動の草分け

奥田 宏 氏
オージー技研(株)
代表取締役社長 奥田 宏 氏

 

骨折の整復と固定、脱臼の整復、関節疾患に対する患部の安静などに用いられる牽引療法。その源流を遡ると古代ギリシャの医者、ヒポクラテスにまで行き着く。整形外科の物理療法で定評のあるこの療法の電動型間歇(かんけつ)牽引治療器を国内ではじめて開発したのがオージー技研(株)である。事業の礎を築いた同製品は同社を「牽引器のオージー」といわしめるほど治療現場に普及。最盛期には10台に7台が同社製であったという。今日では、医療機器や介護入浴装置、リハビリ機器などの総合メーカーとして事業を拡大。あわせて取組んだ品質マネジメント重視の経営は「2014年度日本品質奨励賞 TQM奨励賞」として結実した。医療機器業界としてははじめての受賞に漕ぎつけたオージー技研(株)奥田宏代表取締役社長に活動を牽引した足取りなどを聞いた。

聞き手:伊藤公一

エンドユーザーと話し込んでつくり込む

―電動型間歇牽引治療器の開発は1964年。東海道新幹線の開通や東京五輪の開催などで沸き立つ当時の日本を象徴するようなデビューですね。

電動型間歇牽引治療器の「オルソトラック」

電動型間歇牽引治療器の「オルソトラック」

奥田氏(以下略):当社の前身は先代の奥田巌が1949年に創立したOG電気医療機研究所です。放送技師経験があり、手先が器用な巌は初の自社製品となる「低周波治療器」を1950年に完成。その後、出入りしていた岡山大学との産学連携で開発したのが電動型間歇牽引治療器の「オルソトラック」(写真)でした。当時は外国製しかなかった上によく壊れるとあって、国産のオルソトラックはこの種の機械の代名詞となるほど評判を呼びました。

「エンドユーザーと話し込んでつくり込む」という当社の姿勢は、当時から根付いていましたね。顧客の声に耳を傾けながら、開発から設計、生産、販売、メンテナンスという一続きの流れをすべて自社でこなすという一気通貫のものづくりは、創業当時から連綿と引き継がれていると思います。

―今回の受賞を導いたTQM活動に取組まれた背景は。

大きく分けて2つの理由からです。1つめは自社製品の品質が低下してきたことです。実際、クレームの数も増えてきました。顧客のニーズに応えられる製品をつくろうとすると、機構や仕組みが複雑になります。しかも納期は待ったなし。決して手を抜いていたわけではありませんが、心ならずも品質低下を招いてしまいました。

2つめは、2002年に私が社長に就任したことです。就任を機にきちんとした経営計画をつくろうと社内に働きかけたものの、当時は右肩上がりだったので、あまり深く考えなくても、一定の売り上げは確保できたのです。逆風にさらされる前に形を整えようとしたのですが、当時はその意味がなかなか理解されませんでした。しかし、5年くらいすると市場が急激に縮小してきました。そこで、ともかく戦略の立案を試みました。ところが「きれいな絵」は描けるけれども、実行が伴わない。

そんなこんなで迷路に入りこんで困り果てていた時に、TQMというツールがあることを知り、2011年から1年間、さまざまな模索をしました。それまで、TQMという言葉はもちろん、日科技連(日本科学技術連盟の略称)という団体さえ知らなかったのですから、今から振り返ると勉強をはじめた当時は毎日「目から鱗が落ちる」思いでした。こうして、2012年に本格的にTQM活動に取組む宣言をしました。

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