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HOME > 2015年04-06月(No.13) > スペシャルインタビュー >中部国際空港(株)・川上 博 氏

中部国際空港(株) 代表取締役社長 川上 博 氏

中部地域における空の玄関口の役割を担う中部国際空港(愛称・セントレア)が2015年2月に開港10周年を迎えた。国内主要空港の成田や関西が政府色の濃い特殊法人であるのに対し、中部は生まれながらの民間企業。「お客様第一」を基本理念の1つに掲げる同社は、民間企業のノウハウを空港運営に活かしながら顧客満足活動を促進。それらは(1)鉄道のホームから搭乗口まで滑らかに移動できる、ゆるやかなスロープ(2)どの搭乗口にもチェックインカウンターから5分足らずで到達できるT字型のターミナルビル――など、利用者の使い勝手を考えた取組みに実を結んでいる。主要株主の1つ、トヨタ自動車出身の川上博社長に顧客満足向上に向けた取組みや次の節目に向けた心構えなどを聞いた。

聞き手:伊藤公一(取材日:2015年4月)

「これ以上悪くはならない」と励まされ

―川上社長は平野幸久氏、稲葉良睍氏に次ぐ3代目の社長にして、3人目のトヨタ自動車出身者です。2009年6月の就任にあたってはどのような心構えで臨みましたか。

川上氏(以下略): 先代の稲葉社長とは米国トヨタ時代に机を並べた仲なので率直な話し合いをし、空港運営についての理解も深めていました。セントレアは一般の利用客はもちろん、地元自治体や経済界など、地域からの大きな期待を担って誕生した経緯があります。その期待に応えるのはこの空港に課せられた使命でもあります。

開港した2005年には愛知万博(愛・地球博)が開かれることが以前から決まっていました。ですから、国内外のお客様を迎えるため、万博開幕の3月までに絶対に開港させねばならず、初代の平野社長をはじめ当時の関係者はたいへんな想いをされたと聞いています。苦労の甲斐あって開港後数年は順調に業績を伸ばしました。

しかし、2008年に起きたリーマンショックはこの地域にも少なからぬ打撃を与えました。それ以外にも航空需要を鈍らせるさまざまな出来事がつづきます。そんな時に社長就任を打診されました。当時の稲葉社長からは「これ以上悪くはならないから」と励まされたのを覚えています。それだけに、逆に身が引き締まる想いでした。
 

――「これ以上悪く」はなりませんでしたか。

良くも悪くも、セントレアは出だしが良すぎた面があります。その反動というわけではないのですが、私が就任した2009年度の決算では2期連続の赤字を余儀なくされました。

成田や関西と違って民間空港なので3期連続の赤字は許されません。ですから、幹部はもちろん社員にも、ありったけの知恵を絞り努力を払って欲しいと事あるごとに説いて回りました。経費削減についても理解してもらい、「黒字化プロジェクト」を立ち上げ、組織的な取組みもしました。この結果、2010年度は黒字に転換することができました。この後、東日本大震災の影響が懸念された2011年度もかろうじて持ちこたえ、2012年度で復調の兆しが見えはじめ、2013年度にはついに開港以来の累積損失を一掃することができました。その意味では「これ以上悪く」はなっていないですね。

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