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HOME > 2015年10月-12月(No.15) > 特別企画 > 第20回品質管理検定実施概要ご報告
特別企画 第20回品質管理検定実施概要ご報告 品質管理検定運営委員会 委員長 新藤 久和

今回で通算20回めとなる品質管理検定(QC検定)試験が、去る9月6日(日)に全国112会場で実施されました。試験の申込者数は60,086人と前回に引きつづき6万人を超え、申込者数と合格者数もそれぞれ累計で67万人および36万人を超える結果となりました。

実施会場については、一般会場は新規で実施した都市や同じ都市内で複数の会場で実施するなどにより増加しました。一方、団体会場(企業、学校など)での実施については、前回と比較すると19会場減少することになりました。理由の1つとしては、工業高校を中心とする学校関係の団体受検が3月実施に比較すると9月実施では例年減少するという傾向があることによるものと考えられます。

今回の申込状況は、これまでと同様に団体申込者の割合が全体の約76%と、個人申込者数を上回っており、約1,300の組織がQC検定を利活用しています。この理由として、品質管理教育の成果の確認、QCサークルなどでの問題解決能力のレベルアップをはじめ、QC検定を活用して人材育成を図ろうとしている企業がこれまで以上に増えていることが推測されます。さらに、組織内での品質管理活動を全社的に推進するために、上級管理者自らが受検しリーダーシップを発揮している組織もあるようです。

このような状況下において、品質管理の基礎的な知識の習得を企業から望まれていることを反映して、学校関係者にも積極的に取組もうとしている先生方が増えてきています。

次回の第21回QC検定試験についても、現在、準備を行っているところですが、組織および個人の品質管理レベルの向上、人材育成などに利用していただくための普及活動をはじめ、社会・産業界の発展に資するために、運営体制の信頼性強化をはじめ、実施に対する改善に取組む所存です。皆様のますますのご理解とご支援を賜りたくお願い申し上げる次第です。

以下に、今回の試験について【試験実施概要】と【試験結果と講評】とにわけて報告します。

試験実施概要

今回の試験は、2015年9月6日(日)に一般会場69か所、団体会場43か所の全国112会場で実施しました。

試験当日は九州地区を中心とした大雨の影響により、また、関東地区においては人身事故などによって一部の公共交通機関の運行に影響がありましたが、試験運営に大きな支障をきたすことなく全会場において予定どおり実施することができました。

申込者数と受検者数

1級から4級まで合わせて60,086人の受検申込があり、2015年3月実施の前回と比較すると、申込者数で1,426人減少しました。また、当日は52,358人が受検し、7,728人が欠席しました。この結果、今回の受検率は87.1%となり、前回と比較すると0.8ポイント減少しました。

各級の受検者数は1級1,115人、2級11,155人、3級30,604人、4級9,484人であり、これまでの各級の累計受検者数は1級18,406人、2級140,936人、3級321,160人、4級120,993人で累計受検者総数は601,495人となりました。詳細については図1図2をご参照ください。

なお、これまでの累計合格者数は362,927人となりましたが、今回の各級の詳細については「2.試験結果と講評」をご覧ください。

※画像クリックで拡大できます。 図1.申込者数とその推移
図1.申込者数とその推移
※画像クリックで拡大できます。 図2.受検者数とその推移
図2.受検者数とその推移

受検者のプロフィール

今回の受検者のプロフィールをみると、全体の平均年齢は34.9歳と、前回の受検者の平均年齢(34.1歳)とほぼ同様です。年齢層は14歳~75歳と前回〔13歳~82歳〕(注:以下、〔 〕内の数字は前回実績を示す)と同様に幅広い年齢層の方々が受検されています。各級における受検者の最低年齢/最高年齢の状況は、1級が17歳/67歳、2級が16歳/65歳、3級が14歳/75歳、4級が14歳/72歳 となっています。

20歳未満の受検者は4,665人で前回〔6,625人〕より1,960人減少していますが、これは学校関係(とくに工業高校)の団体受検が減少したことによるものと考えられます。また、25歳未満で大学・短大、専門学校、高校生などであることが明記されている人数は2,950人となり、前回〔5,528人〕より2,578人減少しました。内訳をみると、大学生の受検者数は、77人と前回〔84人〕より7人減少し、工業高校生を中心とした高校生の受検者数が前述したように2,504人と前回〔5,273人〕に比べて2,769人減少しました。

ただし、前述のとおり、高校生の受検申込は9月に実施する試験よりも3月に実施する試験のほうが多いという傾向があります。前年同時期(2014年9月)実施時の2,707人(58校)と比較しても、若干減少しているものの同様の結果になっています。

また、55歳以上の受検者は、1,796人と前回(2015年3月実施)〔2,002人〕より206人、60歳以上も225人〔348人〕と前回より123人減少しています。

各級受検者の受検者全体に対する割合は、1級2.1%〔2.3%〕、2級21.3%〔20.6%〕、3級58.5%〔53.6%〕、4級18.1%〔23.5%〕となっており、これまでと同様、3級が半数を占めています。級ごとの動きをみると、1級が0.2ポイント減少、2級が0.7ポイント増加と前回とほとんど同様の傾向でしたが、3級が4.9ポイント増加したのに対し、4級が5.4ポイント減少しました。

受検者の地域

受検者の地域分布をみると、関東甲信越地区が32.9%〔31.8%〕、中部地区が29.6%〔30.4%〕、関西地区が17.4%〔15.4%〕となっており、この3地区の合計が79.9%〔77.6%〕と約8割を占めているのはこれまでと同様です。

今後もこれまでの受検申込状況を勘案して、新規開催都市および1級受検地を増加するなどして受検しやすい体制を整備するとともに、適切な試験問題を作成するための改善を重ね、日本産業界の発展、品質管理の普及に寄与できるよう努力していく所存です。

なお、次回のQC検定は、2016年3月20日(日)を予定しています。

※画像クリックで拡大できます。 図3.第20回QC検定地域別受検申込者数と比率
図3.第20回QC検定地域別受検申込者数と比率

試験結果と講評

全体

今回の合格率は、前回と比較すると1級が1.34ポイント、2級が1.70ポイント、3級が12.22ポイント、4級が6.43ポイント増加するという結果になりました。とくに3級および4級の合格率が著しく上昇しました。

試験実施時間に着目すると、中途退室した割合は、1級が約14%〔約20%〕、2級は約19%〔約20%〕、3級は約32%〔約25%〕、4級は約77%〔約55%〕となり、合格率の高い級の中途退室率が上昇しました。

一方、当日の欠席率は、1級が23.7%〔23.9%〕、2級が18.9%〔19.4%〕、3級が11.4%〔10.8%〕、4級が8.3%〔6.4%〕でした。今回も上位級ほど欠席率が高いという傾向に変化はありません。

1級(準1級を含む)

1級の合格率は14.62%〔13.28%〕と前回に比べて上昇しました。また、申込者数が220人減少、受検者数は165人減少、合格者数は163人〔170人〕となり、前回よりいずれも減少する結果となりました。

採点結果では、これまでと同様、実践分野の得点率が手法分野よりも高く、実践分野の得点で全体の得点率を補う傾向に変わりはありません。それぞれの分野の平均得点率をみてみると、手法分野では前回より2.81ポイント下回る一方で、実践分野では前回とほとんど同じポイントとなる結果でした。

合格者の得点分布をみると、手法分野の得点率が60%に満たない受検者は6人〔20人〕であり、比較的得点のしやすい実践分野については、得点率が70%に満たない受検者は0人〔0人〕でした。

一方、残念ながら今回、不合格となった受検者をみると、手法分野で得点率50%に達しなかった受検者は365人〔540人〕となり、これは受検者全体の約33%〔約42%〕を占めています。実践分野で50%に満たなかった受検者は29人〔24人〕でした。

分野別にみると、手法分野全体の正答率は5割2分〔5割〕、実践分野全体では約7割6分〔約7割4分〕であり、前回と比べてほとんど変わっておりません。

手法分野の問題で正答率が7割を超えたのは【問1】のサンプリングに関する問題と【問5】の新QC七つ道具に関する問題でした。【問4】の実験計画法に関する問題は6割強、【問7】の抜取検査に関する問題は5割強でした。一方で【問2】の推定・検定に関する問題と、【問6】の多変量解析に関する問題はともに3割を下回る結果となりました。

実践分野では、【問8】の品質機能展開に関する問題と【問12】の品質管理活動に関する問題が9割強、【問11】の各プロセスにおける品質保証活動に関する問題と【問11】のアフターサービスにおける品質保証活動に関する問題が8割強といずれも高得点となりました。一方で、【問14】のクレーム対応に関する問題、【問15】の改善活動の支援・実務に関する問題は5割程度の正答率でした。

次回以降、1級にチャレンジされる方は、今回の結果を参考に自身の弱点を把握し克服されるよう期待します。

今回の準1級の合格者は、1級の受検者のうち218名でした。知識レベルでは手法分野・実践分野ともに非常に高得点をとっている方もいました。次回検定試験では、準1級に甘んじることなく、とくに論述問題に力を入れて再チャレンジされることを期待します。

※画像クリックで拡大できます。 図4.第20回QC検定 1級年齢別受検者数・合格者数
図4.第20回QC検定 1級年齢別受検者数・合格者数

2級

2級の合格率は26.79%〔25.09%〕となり、前回を1.70ポイント上回る結果となりました。2級は前回と比べて、申込者数が32人減少、受検者数は35人増加し、合格者数2,988人〔2,790人〕となり、前回より198人増加しました。

2級の採点結果は、実践分野の得点率が手法分野よりも高く、実践分野の得点で全体の得点率を補う傾向は変わらないものの、今回に関しては、手法分野の得点の大幅な上昇がみられました。受検者が手法分野をこれまで以上に重点的に勉強された結果ではないかと考えられます。

それぞれの分野の平均得点率は、手法分野では前回を9.95ポイント上回り、実践分野では4.33ポイント下回る結果になりましたが、手法分野全体の正答率は5割5分〔4割強〕であり、実践分野全体では7割弱〔7割強〕と、実践分野で全体の得点率を補う結果には変わりはありませんでした。

手法分野で得点率50%に満たなかった受検者は約47%〔約68%〕となり、前回より21ポイント減少しました。参考までに、実践分野での得点率が50%に満たなかった受検者は約6%〔約4%〕です。

分野別にみると、手法分野で7割を超えたのは【問7】の新QC七つ道具に関する問題、【問8】の信頼性工学に関する問題で、6割を超えたものは【問3】の確率分布に関する問題でした。一方で【問4】の管理図に関する問題が3割5分強、【問5】の実験計画法に関する問題では3割弱の正答率でした。

実践分野では、正答率が8割を超える問題は、【問11】の全社的品質管理活動に関する問題、7割を超える問題は、【問12】の方針管理に関する問題、【問15】のねらいの品質とできばえの品質に関する問題、【問17】の検査に関する問題でした。一方で【問18】の標準化に関する問題は正答率が5割以下でした。

これまでの試験で正答率が低かった手法分野についてみると、今回は従来に比べ大きく点数が上がりました。しかし、個々の問題をみてみると、比較的難しい問題はまだまだ低い正答率です。これから2級にチャレンジされる方は、苦手意識をもたずに、さらにいっそうの理解を深めていただくことをお願いします。

※画像クリックで拡大できます。 図5.第20回QC検定 2級年齢別受検者数・合格者数
図5.第20回QC検定 2級年齢別受検者数・合格者数

3級

もっとも受検者数の多い3級の合格率は62.66%〔50.24%〕となり、前回を12.42ポイント上回る結果となりました。合格者数も19,175人となり、前回より4,626人増加しました。

3級の採点結果も1級や2級ほどではありませんが、実践分野の得点率が手法分野よりも高く、実践分野の得点で全体の得点率を補う結果になりました。

それぞれの分野の平均得点率は、手法分野では前回を10.57ポイント、実践分野では8.15ポイント上回る結果になりました。また手法分野全体の正答率は6割8分〔6割弱〕であり、実践分野全体では8割弱〔7割5分〕という状況でした。

手法分野で得点率50%に満たなかった受検者の割合は約10%〔約38%〕となり、前回より約28ポイント下回りました。実践分野で得点率50%に満たなかった受検者は約3.6%〔約8%〕となり、こちらは前回より約4.4ポイント下回りました。今回は手法に関してはかなり基本的な問題が出題されたこと、また2級と同様、手法分野をこれまで以上に重点的に勉強された結果と考えられます。

分野別にみると、手法分野では正答率が9割を超えたのは【問9】のグラフに関する問題で、8割を超えたのは、【問2】の基本統計量に関する問題と【問7】のヒストグラムに関する問題でした。

全体的に正答率が高かったのですが、一方で【問4】の管理図に関する問題、【問5】の特性要因図に関する問題は6割弱、【問3】の工程能力指数に関する問題は5割強の正答率でした。

実践分野では、【問12】の方針管理に関する問題が9割強、【問14】の小集団改善活動に関する問題が9割弱、【問13】と【問14】のQC的ものの見方・考え方が8割強の正答率となりました。大半が7割5分の正答率でしたが、【問18】の検査に関する問題が正答率5割5分程度で、前回と同様低い結果となりました。

今回めでたく合格された方は、QCの手法や考え方をぜひ実践の場で活用し経験を積まれるとともに、できるだけ早い時期に上位の級を受検されることを期待しています。また次回以降に3級にチャレンジされる方は、このたび改定となったレベル表を確認し、十分に時間をとって学習に励んでください。

※画像クリックで拡大できます。 図6.第20回QC検定 3級年齢別受検者数・合格者数
図6.第20回QC検定 3級年齢別受検者数・合格者数

4級

4級は合格率91.58%〔85.15%〕となり、前回よりも6.43ポイントと増加しました。また合格率も久し振りに90%以上となりました。受検者数は前回より3,242人減少、合格者数は前回より2,139人少ない8,685人〔10,824人〕となりました。しかし平均得点率をみてみると、前回より7.53ポイント増加しました。

今回の4級の試験は、「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」改訂版(Ver3.0)にもとづいたはじめての試験でした。テキストは改訂されましたが、基本的にはこれまでの試験と同じで、基本的な問題と事例を含んだ応用的な問題とで構成されています。今回も大変よく勉強をされた結果が高い合格率となっているようです。

今回はすべての問題で正答率が高く、とくに【問3】の管理活動(維持活動と改善活動)に関する問題や【問16】のマナーに関する問題の正答率はおおよそ9割5分でした。一方正答率が低かった【問6】の重点指向に関する問題、【問11】のデータの種類に関する問題でも、7割5分以上の結果でした。

品質管理検定4級レベルは、社会人として最低限知っておいてほしい仕事の進め方や品質管理に関する知識を有していることを想定しています。これは現在働いている人にかぎらず、将来仕事に就く学生、高校生にも十分達してほしいレベルです。実際、今日の企業や組織は新しい人を採用するにあたり、仕事の進め方や品質管理に関する知識を有していることを期待しています。ぜひ多くの方々の積極的な受検を期待しています。

また今回受検して合格された方々には、現状に満足することなく、自分自身の力量向上のためにさらなる上位級の試験にチャレンジされることを望みます。

※画像クリックで拡大できます。 図7.第20回QC検定 4級年齢別受検者数・合格者数
図7.第20回QC検定 4級年齢別受検者数・合格者数

【お問合せ先】

一般財団法人日本規格協会内 品質管理検定センター
住所:〒108-0073 東京都港区三田3-13-12 三田MTビル
電話:03-4231-8595 / FAX:03-4231-8690
E-mail:kentei@jsa.or.jp
ホームページ: http://www.jsa.or.jp/

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