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HOME > 2015年10-12月(No.15) > スペシャルインタビュー >トヨタ自動車(株)/日野自動車(株)・蛇川 忠暉 氏

トヨタ自動車(株)/日野自動車(株)・蛇川 忠暉 氏

デミング賞本賞」は、「TQM」の研究に関し優れた業績のあった者、またはTQMの普及に関し優れた業績のあった者に授与される。2015年度デミング賞本賞は、蛇川忠暉氏が受賞された。トヨタ自動車副社長時代には、仕入れ先に対する表彰制度である「トヨタ経営管理賞」を導入し、仕入先の品質向上に尽力され、日野自動車社長時代には、現場の従業員の意識改革と顧客目線による品質経営の導入により経営面で大きな成果をあげられた。また、QCサークル本部長として各地域のQCサークル活動の活性化に大きく貢献され、今日に至るまでの功績が2015年度デミング賞本賞受賞へとつながった。

今回、本賞受賞された蛇川氏にその喜びの声とともに、これまでの経験も交え、クオリティマネジメントの読者層でもあるミドルマネージャーに向けて、これからのモノづくり企業への期待などお話をお伺いした。

(聞き手:編集部)

賞は‟あるべき姿“実現のために

――この度は、2015年度デミング賞本賞受賞、おめでとうございます。

ありがとうございます。トヨタ時代からTQMの本流に携わってきませんでしたが、今までの経験や取組みが評価され、このような最高の賞をいただくことは晴天の霹靂であり、感慨の一途です。

2015年11月11日に行われたデミング賞授賞式の講演写真

2015年11月11日に行われたデミング賞授賞式の講演写真

――デミング賞本賞の選考理由として、トヨタ副社長時代に導入された「トヨタ品質管理賞(現在はトヨタ経営管理賞)」は、主観的になりがちな評価基準を数値化されたものですが、仕入先とお互いに摺り合わせを行っていくところに日本ならではの良さが感じられました。Japan Management Standard(以下、JMS)の策定のポイントについて詳しくお聞かせください。

よく「○○賞」受賞というと“賞とり合戦”のように、賞を獲得する栄誉が主目的に成りがちで、当初の『賞』設定目的といえる「その賞をめざす“あるべき姿”の実現」の成果を客観的評価により世の中にその栄誉を讃え、他の模範とするということが失われることがしばしばあります。極端に申せば、「賞」を取ればそれで“良し”としてしまう。しかし、企業は持続的成長を遂げていかねばならぬ宿命を背負っています。それは、時代が変化しつづける、新しい人材に加わる、技術が進化するなど、次々と新たな課題が生じてくることから、その時の「賞」はその時代の一里塚に過ぎません。まさに、TPS[1]の“改善は終わりがない”という教えと同様であるといえます。

したがって、この「JMS」は「賞取り」のためのものではなく、自社のTQM、TPS、TPM[2]を経営の基本とした企業活動全般(経営、技術、生産、販売)を360項目に分類し、その強み(良い5~4点)、弱み(不足な点2~1点)を自ら評価することで自覚を促すものです。そのため、5点法で真ん中にあたるどちらともつかない評価である3点はなくしています。これを第3者にもあらためて評価してもらい、次への課題をより明確にすることを目的にした評価手法であるため、その時点での総合評価点が「賞」の基準点に値すれば表彰します。

JMS全体構成の図

JMS全体構成の図

しかし、これらはさらに次の高い評価(成果)をめざして企業活動を展開してもらい、課題に対する話し合いとその合意(診断講評)がねらいでもあるため、一里塚、二里塚・・・とかぎりない成長をめざすための道標に役立つと信じています。

当初は、トヨタグル―プ企業を対象に作成しましたが、さらに自動車産業の広い視野の企業発展に役立てばという思いで、トヨタ自動車も深くかかわっている第三者機関として(一社)中部産業連盟様に後を委託し、現在に至っています。

このJMS自身も10年を経て、グローバル化の進展にともない“改善”(改訂)の必要に迫られているとの思いから、JMSからGMS(Global Management System)への転換を提言しました。

  • [1]TPS:(トヨタ生産方式)Toyota Production Systemの略称。トヨタ自動車の生み出した工場における生産活動の運用方式の1つ。
  • [2]TPM:Total Productive Maintenance の略称。PM(予防保全)から発展し、CM(改良保全)、MP(保全予防)を含めたトータル的な生産保全を意味する。

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