クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2016年4-6月(No.17) > スペシャルインタビュー >(株)メイド― 長谷川 裕恭氏

自転車はこぐのを止めると必ず倒れる。何事も、一旦動きはじめたらひたむきにつづけることが大切だ。まさに「継続は力なり」である。それを愚直に守ってTQM活動を進めているのが㈱メイドーだ。「メイドーウェイ」と謳(うた)った「TQMを管理手法の基本とした活動」にもとづく同社の取組みは2010年の「デミング賞実施賞」、2013年の「デミング賞大賞」という成果をもたらした。無論、それぞれの受賞は到達点ではない。肝心なのは受賞後の継続的改善活動をどのように保っていくかであろう。「企業の発展は、そこで働く人の成長がなければできない」という思想の下、陣頭指揮を執る長谷川裕恭社長に、経営活動の考え方や将来構想などを聞いた。

(聞き手、執筆:伊藤 公一)

デミング賞受賞を機に増えてきた? 社内結婚

――長谷川社長は常々「業界ナンバーワンをめざす」と公言していらっしゃいます。その真意は。

長谷川氏(以下略):堅苦しい言い方をすれば、自動車産業をめぐる環境変化の中で生き残るには、他社をしのぐ技術力や営業力、資金力、経営力などの総合力を強め、グローバルでの競争力を高めることが大切です。そのための経営目標として掲げたのが「ボルト製造業界ナンバーワン」というスローガンです。

平たく言えば、従業員が誇れる会社にしたいということです。昔は「結婚するならメイドーの社員以外の人」という女子従業員や「息子はメイド-には入れたくない」という年配従業員、近所の井戸端会議で夫の勤め先の名前は出したくないという奥さんがいるという声が社内で囁かれていたそうです。

ところが、今では社内結婚が増え、私も年に何回か結婚式に招かれます。ダブルヘッダーもあります。親子で働いている従業員もいます。外で夫の会社名を口にする奥さんは、胸を張れるようになりました。いずれも、会社に誇りをもつ従業員が増えてきた何よりの証(あか)しです。背景には、好調な企業業績があります。しかし、いくら会社が売上高や利益を伸ばしても従業員にはあまりピンとこないでしょう。それより、豊かで安定した生活をイメージできる会社の姿を示したほうがわかりやすいと思いました。業界ナンバーワンの会社とは、従業員が誇れる会社であるということです。そのための手段が、デミング賞につながるTQM活動です。

メイド―本社・豊田工場 (愛知県豊田市)建物写真(写真提供:(株)メイド―)

メイド―本社・豊田工場 (愛知県豊田市)建物写真
(写真提供:(株)メイド―)

(株)メイドーの主要製品(写真提供:(株)メイド―)

――そもそも、デミング賞にはどのような経緯で挑まれたのですか。

業界ナンバーワンになるための手段だったのです。そこで、TQM活動を強力に推し進めてきました。決して受賞することが目的ではありませんでした。TQMというと一般的には「製品品質」という狭い意味で捉えられがちですが、その本質は経営の質を高めることにあります。経営品質が高まれば仕事の質も高まるし、原価をはじめとする経営指標にも良い結果がもたらされるからです。とはいえ、現時点でナンバーワンにはなっていません。ですから、もっともっと努力しなければならないと思っています。

――デミング賞の2度にわたる受賞で、どのような変化がありましたか。

若い人材が育ってきましたが、社内的に大きな変化はありません。とはいえ、従業員にはその重みがわかっているので、さらなるレベルアップに向けて活動をつづけています。一方、社外的には、当社の品質について高い評価をいただいているように感じます。これまでの受賞会社をみると、トヨタ自動車系の部品メーカーが手をあげることはしばらくの間ありませんでした。それが当社の受賞を契機に、再び、少しずつ増えているようです。当社が受賞した時期は企業における品質トラブルやスキャンダルがつづき、社会的にも「品質第一」が叫ばれていたので、より関心をもたれたのではないかと思います。

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