クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2017年01-03月(No.20) > スペシャルインタビュー >(株)キャタラー 砂川 博明氏

四輪用および二輪用排ガス浄化触媒、活性炭製品、環境ケミカル製品――。(株)キャタラーの手がける製品群は主に他社製品の部品として組み込まれることで地球環境の保全に貢献している。その歩みは触媒や活性炭で空気や水を浄化する新しい環境技術を開発し、着実な成果をあげてきた歴史でもある。主力製品である四輪用触媒のシェアは世界第4位。「自工程完結に基づくC-QIC活動」や「C-BCMによるバックアップ体制」「生産設備の戦略的開発」「源流段階からの情報共有と共同開発」など、地道に重ねてきた経営手法は2015年度のデミング賞に実を結んだ。この受賞を「長い道のりの通過点」と捉える砂川博明社長に、経営活動の考え方や将来構想などを聞いた。

(聞き手:伊藤 公一)

デミング賞は長い道のりの通過点

――貴社は自動車技術会や触媒工業協会、触媒学会、日本吸着学会、日本化学会など、環境技術にかかわる組織や団体の多くから数々の賞を受けていますね。

(株)キャタラー本社(静岡県掛川市)
(以下写真提供:(株)キャタラー)

砂川氏(以下略):「環境を考慮した省資源・省エネルギー社会づくり」に対する当社の技術に一定の評価をいただいたのだと思います。主力の触媒分野では、限られた資源を有効活用するため、原材料となる貴金属・レアアースなどの使用量を大幅に減らす技術開発や製造時の省エネを実現する生産技術開発に挑んでいます。

活性炭分野では、浄水場における安全な水道水供給に貢献。下水処理場の脱臭用に開発した長寿命の触媒式活性炭で省資源化にも寄与しています。燃料電池用電極触媒やキャパシタ用炭素材など次世代技術の開発にも取組んでいます。

――それぞれの分野における主要製品の存在感も大きいですね。

四輪用触媒では、A社への納入数量はナンバーワン。低貴金属量で高性能な新型触媒の共同開発もしました。2013年度から3年連続で、同社の品質優秀賞を受賞しています。世界初の自己再生型インテリジェント触媒を共同で実用化したB社からも、7年連続で品質優秀賞を受賞。二輪用触媒では、C社への納入数量が首位で、7年連続で品質優秀賞を受賞しています。活性炭・環境ケミカル製品分野では、オゾン分解触媒による空気清浄機用活性炭の国内シェアで首位の座にあります。

主要製品

触媒とは

――技術関連の受賞歴が豊富な貴社にとって、デミング賞への挑戦は少し趣(おもむ)きが異なるのでは。

当社はISO 9001やISO/TS16949(自動車産業に属する製造業における品質マネジメントシステムの規格)などを通じて、QMS(Quality Management System:品質マネジメントシステム)を踏まえたオペレーションを愚直に取り入れるなど、デミング賞のレベルに近いベースがありました。したがって、チャレンジに対する違和感はなかったように思います。

むしろ、率直にいえば、土地柄なのか社風なのか、当社のスタッフは比較的ゆったりしているので、デミング賞を将来の成長に向けたマイルストーンと位置づけました。つまり、長い道のりの通過点と捉えたわけです。

――デミング賞に挑む中で、社内にはどのような動機付けをされたのですか。

会議室にただ座って進捗状況を眺めるだけでは前に進みません。そこで、それぞれが成果物を持ち寄って大部屋で議論する形にしました。慣れないことなので、はじめはあれこれとコメントすることが多くありましたが、次第に参加者が積極的に発言するようになり、活発なディスカッションを繰り広げるようになりました。

もともと、当社は市場クレームや重要品質問題を出したことがありません。取引先から相次いで品質優秀賞をいただいているのもそのためです。つまり、社員にとって不良ゼロはあたり前だから、不良をなくするためにはどうするかという発想は縁遠かった面があります。

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