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HOME > 2012年7月-9月(No.2) > 特集 > 日本のものづくりの「人」の力を再考する「万協製薬/三重県立相可高校 生産経済科」
特集 日本のものづくりの「人」の力を再考する

商品開発を通じて「授業」を「事業」に動き出した産学のソーシャルビジネス (万協製薬(株)/三重県立相可高校 生産経済科)

万協製薬(株)社長 松浦 信男(まつうら のぶお) 氏
三重県立相可(おうか)高校 生産経済科の皆さん

 
取材に応える万協製薬松浦社長と相可高校生産経済科の皆さん
取材に応える万協製薬松浦社長と相可高校生産経済科の皆さん
(左から、鈴木さん、峯川さん、野呂さん、岡野さん)

テレビドラマ「高校生レストラン」のモデルとなった三重県多気町の県立相可(おうか)高校。このドラマの舞台は食物調理科の実習施設として2002年に開業した「まごの店」である。仕入れから調理、配膳、接客、会計まで、すべて高校生が運営するユニークな取組みが話題となり、土日限定であるにもかかわらず、営業日には全国から押し寄せる客の長い行列が絶えないという。その様子はしばしば、情報番組や報道番組でも取り上げられている。評判が評判を呼び、店は忙しくなるいっぽう。半面、手洗いや洗いもので水を扱うことの多い生徒のほとんどが手荒れの悩みを抱えていた。

それを聞いた同校生産経済科の女子生徒らが、地元の万協製薬(株)(松浦信男社長)と共同開発したのが「ゆず香るまごころhoneyクリーム」(通称・まごクリ)である。(取材・執筆:伊藤 公一)

肌に優しい自然素材をふんだんに

ゆず香るまごころhoneyクリーム
ゆず香るまごころhoneyクリーム

「毎日使うものだから、肌に優しい自然素材にこだわった」―企画に携わった生産経済科の生徒で、同科が立ち上げたNPO法人「植える美ing(ウェルビーイング)」(後述)代表監事の峯川咲希さんは、「まごクリ」に込めた思いをそう語る。同級生で同NPO法人理事の鈴木愛香さんも「可愛いパッケージにするのに苦心しました」と、マーケティングの舞台裏を披露する。

商品名にも謳(うた)われているように、「まごクリ」にはさわやかな香りと肌に潤いを与える「ゆずオイル」をはじめ「蜂蜜」「レモン油」「アロエ末」「ヒアルロン酸」「伊勢茶エキス」などを配合。直接食べものに触れる場で使われるという事情も、自然素材を採用した理由だ。

こすると天然ゆずの香りの粒が弾ける画期的な技術も、惜しみなく注ぎ込まれている。「まるで赤ちゃんの肌に戻ったかのように感じました」という40代女性からの声が寄せられるなど、製品としての完成度は高い。

もちろん、いくら生産や経済にかかわる専門知識を学んでいるとはいえ、彼女たちだけで製品化にこぎつけたわけではない。地元に本拠を置いている万協製薬が開発実務や製造などで全面協力し、「生徒の思いを形に変えた」のが「まごクリ」である。そんな間柄を示すように、パッケージ側面には「企画・販売 三重県立相可高校生産経済科」「販売元 株式会社相可フードネット」「製造販売元 万協製薬株式会社」の文字が連なる。

高校生と企業とのコラボレーションはどのような経緯で実現したのか。その経験を通じて、両者にはどのような成果がもたらされたのか。そして、企業による若者支援はものづくりの活性化にどのような役割を果たしていくのか。行政を巻き込んだ町おこしにも一役買っているという独自の取組みを見てみよう。

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