クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2012年10月-12月(No.3) > 特集 > 販売後の品質保証―日本の“もったいない”文化を継承するものづくり―「富士ゼロックス」
特集 日本のものづくりの「人」の力を再考する

時代は稼働品質へ
-富士ゼロックスが世に問う
データマイニングプラットフォームTQMS-uni-

高野氏と稲垣氏

取材に応えていただいた
富士ゼロックス(株) 研究技術開発本部マーキング技術研究所 研究主席 高野昌泰氏(写真左)
R&D企画管理部お客様共創ラボラトリー グループ長 稲垣政富氏(写真右)

お客様がハードウェアを使う際に多くのデータを吸い上げ、これを加工し価値のある情報として提供する富士ゼロックス(株)の品質管理システム「TQMS-uni」が大きく動きはじめている。同社グループ内での稼働でも、複合機の故障などトラブルが起きる前に、カスタマーエンジニアがタイミングよくユーザーのもとに訪れるなど効果が出てきている。

「今後はさらに大学や他社との連携や協業化を図り、標準的なプラットフォームともいうべき姿をめざしたい」と語る富士ゼロックス(株)研究技術開発本部マーキング技術研究所の高野昌泰研究主席と、同社R&D企画管理部お客様共創ラボラトリーの稲垣政富グループ長に話を聞き、「稼働品質管理」の最前線といわれるTQMS-uniの今後を探った。(取材・執筆:市川 徹)

あらゆるログで管理されているデジタルの世界

そもそも自社製品をお客様がどう使うかなどといった記録は、コンピュータが普及する以前からメーカーは集めていたし、事実その記録を参考にしていた。その手法はアンケートであったり、営業マンが耳で聞いたヒアリング結果をもとにしたりしていた。

しかし、これではサンプル数がかぎられてしまう。しかもその扱い方は、あくまでも次の製品開発のための参考意見に属する、お客様からの製品利用感想アンケートにとどまるものだった。

流れが変わりはじめたのは、いうまでもなく大型コンピュータがパーソナルコンピュータへと移行した時からだ。Widows95以降、家庭にも1台はパソコンが入り、その後、企業のIT化にともなってビジネスマンを中心に1人1台の時代を迎える。

多くのパソコンユーザーは気づく機会が少ないかもしれないが、ユーザーがパソコンを購入し、立ち上げたその瞬間から、◎月□日○○時▽△分、どんな操作をしてどんなソフトウェアを立ち上げ、どういった動きをパソコンのソフトとハードに命令したか――が延々と記録されている。これをログと呼び、ユーザー自身が任意で消さないかぎり、この操作記録は残る。コンピュータとはあらゆるログによってつくられ、ログを形成する日時や時間、プロセスなどの記録で支配されているといってもいい。

これをメーカー側から考えてみよう。先述した操作記録は、ユーザー自身のパソコン内部から原則、外に漏れ出すことはないものの、メーカーがもしこの記録を読み込めれば、どんな操作をしている時につまずくのか、どこで操作が止まるのか、あるいは仮にトラブルが発生した場合、その直前の操作は何だったのか――をつかむことが可能になる。もちろんパソコンの利用方法など十人十色なのだから、サンプルの数が少なければ意味は成さない。ところが、この例の数が多ければ多いほど、平均値をつかめるようになり、トラブルの原因や使い勝手の良さ・悪さなどが伝わるようになっていく。はじめは単なる操作記録だったものが、たくさん集まれば品質管理の上でも重要な情報に変貌を遂げていくわけである。

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