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HOME > 2013年4月-6月(No.5) > 特集 > 運用・保守の課題「澤俊行氏」
特集 運用・保守の課題 どうすれば事故を未然に防げるのか

事故例とその原因に見る
事故を未然防止するための方策

澤 俊行
澤 俊行(さわ としゆき)氏

広島大学大学院 工学研究院 特任教授

はじめに

2012年12月山梨県の中央高速道路笹子トンネルで天井板が崩落し、9名の犠牲者をだす大事故が発生した。1977(昭和52)年建設以来35年目であった。事故の概要は報道でもなされているが、日経BP社「日経コンストラクション」誌によると挿入されていたボルトを接着剤で固定していたのが、抜け落ちたということが主原因と推測されている[1]。2013年5月の終わりに報告書が報道され、接着剤の劣化と並んでボルト強度の推定が2.5倍ほど異なっていたなどとされている。2007年8月に米国ミネソタ州ミネアポリス郊外で発生した橋梁の崩落事故では死者5名のほか、多数の負傷者がでている。昨日まで無事に機能を発揮していた構造物や機械が、今日になり突然機能不全になり大事故になる例は世界を見回せば数多い。いわゆる機械や建設構造物が寿命に達し、壊れる時をどう予測し、大事故にならない前に交換あるいは廃棄する必要がある。たとえばテレビや蛍光灯などは寿命に達すればテレビが見えなくなる、あるいは蛍光灯の灯りが付かなくなるだけで、大方大事故に結びつきにくい。

しかし笹子トンネルの崩落事故や、ミネアポリスの橋梁崩落事故のように多数の死傷者がでる大事故に繋がることもしばしば起こる。米国では20数年前から橋梁をいつ取替えるか、という議論がなされていたのを小耳にはさんだことがある。100年はもつと推定されている橋梁を20~30年で取替えていては自治体の財政がもたない。他方ミネアポリスのように橋梁が崩落し、死者がでてからでは遅い。ではいつの時点で橋梁を取替えるか、すなわち機械や建設構造物の余寿命(あと何年もつか)をいかに推定するか、あるいは寿命近くになったらいかに寿命を長くもたせるかの維持管理技術が大きな問題であると推測される。本稿ではいくつかの事故例とその原因を紹介しながら、事故を未然に防ぐための手法は何かを考えたい。

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