クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2013年10月-12月(No.7) > 特集 > 企業のクオリティを高める「女性力」「小西酒造(株)」
特集 企業のクオリティを高める「女性力」

酒と食とのマリアージュで市場を広げる
女性の感性で酔わせる「酒ガール☆プロジェクト」

小西酒造(株)
マーケティング部 商品企画開発 課長
滝本 昌美 氏

 

小西酒造(株) マーケティング部 商品企画開発 課長 滝本 昌美 氏
小西酒造(株)
マーケティング部
商品企画開発 課長
滝本 昌美 氏

「清酒白雪」の製造・発売元である小西酒造(株)(兵庫県伊丹市、小西新太郎社長)の創業は1550年。日本史年表によれば、フランシスコ・ザビエルがキリスト教を広めるための第1歩をしるしたころにあたる。460年の社歴を数える醸造業は無論、日本最古。しかし、その歴史とは裏腹に同社の経営は「進取の精神」に彩られている。男性色が濃いとみられがちな醸造業で、いち早く女性だけの組織「酒(シュ)ガール☆プロジェクト」を設けたのもその1つ。この組織が手がけた「チーズとよく合うお酒」はこれまでにない新たな商品群として業界に一石を投じたといわれる。プロジェクトリーダーの滝本昌美氏に、女性力を生かした商品開発の手法などを聞いた。(聞き手:伊藤公一)

二日酔いでも構わぬ、朝夕2回の利き酒

――お酒の会社にお勤めですから、相当、いける口なのでしょうね。

大好きです。とくに燗(かん)酒。量よりも雰囲気を楽しむタイプです。四合瓶1本もあれば十分。一緒にいただくお料理を楽しんだり、コミュニケーションを深めたりするといった、お酒を巡る環境が好きですね。

現在は「酒ガール☆プロジェクト」を推進するマーケティング部に籍を置いていますが、以前はお酒の良し悪しなどを研究する技術部におりました。この部署では、出社後と退社前に必ず利き酒をします。朝夕の2回行う業務上の儀式です。たとえ二日酔いでも任務は遂行します。お酒は生き物ですから、良いお酒を造るためには毎日の微妙な変化を舌で確かめる必要があるのです。

同じお酒でも、朝と夕方では感じ方が違います。おおむね朝は敏感、夕方は鈍感です。しかし、一般的にお酒は夜に飲まれることが多いので、飲まれる場面を想定すれば夕方の感覚が実態に近いと思います。逆に、欠点を探すには朝の感覚が頼りになります。

もちろん、自社製品ばかりでなく、勉強のために他社製品を味わうこともあります。百貨店の試飲コーナーや地方の酒蔵巡りも大切な情報収集の機会です。旅行などで地方に行った時には、必ず地元のお酒としょうゆを買います。お酒や調味料はその地域性がわかりやすいように思います。旅先でおいしかったお酒を自宅で飲むと、それほどでもなかったなと感じることがありませんか?お酒は基本的にその土地のお米と風土で育まれます。恐らく、その土地の食材と一緒に食べるからこそおいしかったのでしょう。マーケティング部に移ってからは、とくにそういう捉え方をするようになりました。

――お酒と料理との取合わせや相性などを考えるのが、お好きだったのですか。

大学では食物学を専攻していましたから「食」に関する興味は昔からありました。お酒は嗜好品ですから学べば学ぶほど面白いし、奥が深いと思います。ところが、このところ当社の本業である日本酒が振るいません。ワインやビール、焼酎などに押されているからという見方もありますが、根本的な原因は日本酒そのものの魅力が十分に知られていないからではないかと思います。

日本酒をより楽しんでもらえるようにするにはどうすればよいか。そのために知恵を絞るのがマーケティング部の仕事です。日本酒を単なるお酒としてではなく、食事を楽しむためのコミュニケーションツールとして愛してほしいという工夫から生まれたのが、さまざまな食べ物とのマリアージュ(食べ合わせ)の提案でした。

そのためにマーケティングに設けられたのが「酒ガール☆プロジェクト」。私が移ってきた2011年のことです。もともとは会社が女性層の需要拡大を目指して掲げた「女性市場開拓プロジェクト」ですが、お役所のような固いイメージなので、親しみやすいネーミングに改めました。便宜的に組織と称していますが、正式な辞令で動いているわけではなく、あくまでも部の務の一環という位置づけです。

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