クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2014年1月-3月(No.8) > 特集 > 顧客の期待と信頼に応えるための「顧客対応力」「(株)もしもしホットライン」

特集 顧客の期待と信頼に応えるための「顧客対応力」

高度化するコールセンター業務
~顧客戦略の中核に位置付ける企業も

(株)もしもしホットライン
 マーケティングサイエンス研究室
 所長 中川 純一氏
 フェロー 久野 誠氏

 

中川氏・久野氏
㈱もしもしホットライン
マーケティングサイエンス研究室
左: 所長 中川 純一氏
右:フェロー 久野 誠氏
もしもしホットラインロゴ

化粧品で健康被害が出たときも、食品に農薬が混入されたケースも、まずはじめにコールセンターへの苦情があり、そこで拡大を未然に防ぐことができたはずだった――メーカーを中心とする企業がアウトソーシングしているコールセンターの役割がにわかに注目を集めている。従来のような単なる苦情受付窓口で終わるものではなく、顧客との会話を通じながら、企業や商品そのものの問題点、課題が浮き彫りになっていくからだ。今後、日本企業の重要なカギを握るコールセンター事業について、(株)もしもしホットライン マーケティングサイエンス研究所の所長の中川純一氏、フェロー久野誠氏の両氏に話を聞いた。(聞き手:市川 徹)

―最初に御社の事業内容を教えてください。

中川純一氏(以下、中川氏):コールセンターを核としつつ、顧客接点のアウトソーシングサービスを展開しています。コンシューマ製品をつくるメーカーやサービス業の企業などから委託を受け、その製品やサービスについて注文、問い合わせ、苦情などを企業になり代わって受け付ける業務ですね。手法も一般的に知られる電話のほかに、FAX、電子メール、Webサイト、チャット、SNS、リアル店舗における対面やお客様のところにおうかがいする訪問など、あらゆる種類があります。
 

―オーダーを受け付ける業務は別にして、消費者からの問い合わせや苦情を受ける部門というのは、クライアント企業からすればエンドユーザーと直結しているわけですね。

久野誠氏(以下、久野):そのとおりです。コールセンター業務は、電話会社の番号案内などを含めますと長い歴史をもちますが、一般的に知られるようになったのは1980年代以降、消費者相談窓口などを企業が自主的に設けてからでしょうね。さらに1990年代半ば、ITによる技術革命ともいうべき時代に突入し、パーソナルコンピュータが家庭に1台、会社では社員1人に1台といった環境を迎えるにあたって、コールセンターの業務が重要視されるようになったといえます。当時、パソコンについてハードもソフトも含めて使い方がよく分からなかったのですから、コールセンター業務が大変重い役割を担ったのは当然というべきでしょう。その後、企業が自社内でまかなってきたコールセンター業務を、作業量の急増やそれに伴うコスト増を背景にして外部に委託するようになりました。いわゆるアウトソーシング化です。当社は1987年設立ですから、日本におけるコールセンター業務の黎明期から現在に至るまでつぶさに見てきた数少ない企業のひとつといえるかもしれません。

優先第一は機密保持

―クライアント企業との関係においては、一般的にほとんど知られない内容、つまり企業機密などを知る立場になるわけですね。どういった仕組みで事業は行われますか。

中川氏
中川氏

中川氏:当社は現時点でおよそ500社以上のクライアント企業-当社ではお客様企業と呼んでいます-がいらっしゃいます。たとえばA社のコールセンターを設けるとき、担当するオペレーターは、その対象商品やサービスを熟知することからはじまります。お客様企業に常駐する場合もあれば、当社内のコールセンターで対応する場合もありますが、大きな案件となると、一つのセンターで数百席の規模になることになります。しかも時間シフトによる勤務となりますからその2倍から3倍の人数が在籍することになります。総計ですと一つのセンターで1,000人規模が在籍していることも決して少なくありません。

久野氏
久野氏

久野氏:そこで担当するオペレーターが同時並行でほかの案件を受けもつことはありえません。なぜならA社のコールセンターは、そのセンターで完結させるクローズドな世界となるからです。オペレーターは機密保持が守るべき第一の重要事項となります。A社を担当しているオペレーターが並行してB社を受けもつことは原則として行っていません。オペレーターは厳しい教育を受けた人ばかりです。外で食事中に、担当するお客様企業のことを話してはいけないし、トイレなどでそういった話を口にしてももちろんいけません。不特定多数の人間がいる公共の場やソーシャルメディア上で、もちろん話題にしてはなりません。どこでどう噂話になってしまうか分からないからですね。

 

―大変なお仕事ですね。一方では、最近起きた食品の農薬混入や化粧品の白斑トラブルなど、そのきっかけがエンドユーザーからの問い合わせだった案件が相次ぎました。

中川氏:当社とお客様企業との間でもひとしきり話題になりましたが、一般的に考えれば、ああいったケースの多くは最初の問題が発生してから、ほどなくして経営層にまでその情報は上がっていた、と推測されます。私たちは、こういった問題が起きたとき、「○○○といった問い合わせやクレームが急増している」とか、「△▽▲に関するトラブルはこの時点で発生し、この月から増え始めた」などの情報やデータをお客様企業に提供します。これが最初の一歩となりますが、一方でそれ以上の行為、たとえば「商品を回収すべき」などといった意見を行うのは非常に困難です。なぜならそこには各企業の基本的なスタンスや姿勢があり、重大な事項を決めるのは企業の経営判断ですから、そこに私たちが関わることは難しいのです。

久野氏:そうはいっても、「今までにはなかった類の問い合わせが多くなった」などという時、いわば通常ではない事例を察知する機能をもっているので、それをいち早くお客様企業に伝達することが重要な使命となります。その後はあくまでもお客様企業の考え方次第であり、それが企業としての姿勢を物語るものとなるでしょう。その時点で早めに動くか、あるいは様子見するのか。もしくは気にせずに見送ってしまうのか。会社というのは千差万別です。それぞれの考え方によって経営判断も大きく変わってくるのが現実ですね。お客様企業から「強いサジェスチョンもしてほしい」といわれるときもないわけではありませんが、当社としてのスタンスは以前になかった傾向やチェックポイントをいち早くとらえ、それをしっかりと伝えることだと思っています。そのデータをみてお客様企業がどう動き、なにを判断するのかはあくまでもお客様企業の経営判断です。

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