クオリティマネジメント Quality Management

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HOME > 2015年10月-12月(No.15) > 特集 >チームの底力 「西條 剛央 氏(本質行動学アカデメイア)」
「チームの底力」

組織の力を高めるには、個人の力のみならず、チームワークによる相乗効果、シナジー発揮が重要であることは論をもちません。とくに、緊急時にこそ、個人の能力だけでなくチームとしての結束力が求められ、その力を発揮することが期待されます。

今回の特集では「チーム」に焦点をあて、『クオリティマネジメント』の主な読者層であるミドルマネージャーに求められる“チームマネジメント”“リーダー育成”などについて役立つ内容をお届けしたいと思います。

また、より広い視野からミドルマネジメントに示唆を与える観点をお届けするために、ものづくり分野にかぎらずに、さまざまな業界で活躍する方々にお話をお伺いし、チーム力とはなにか、どうあるべきかについて解説するとともに、有事におけるチームの結束力、統率力など、“潜在する爆発的なパワー”を生み出すための参考となる取組みや事例をご紹介したいと思います。

(編集部)

「チーム」とは

西條剛央氏
西條 剛央氏(比田井美恵撮影)

早稲田大学大学院 客員准教授
本質行動学アカデメイア 代表

西條 剛央(さいじょう たけお)氏

はじめに

われわれは何のために「チーム」をつくるのだろうか。

それは、個人の力には限界があり、1人の人間の力ではできないことがあるからである。圧倒的な力の前では、1人ひとりの人間の力はたとえようもないほどに小さい。しかし、それがチームとなることで、とても大きな力を持つことができるのだ。

2011年3月11日の東日本大震災では、千年に一度といわれる大地震と、それによって起きた巨大津波によって1万8,000人以上の人が一度にその命を落とすことになった。また、その後に判明した東京電力福島第一原発事故により、多くの人が故郷を離れることを強いられた。震災直後、現地では多くのものが津波に流され、さまざまな物資が必要とされていたが、津波による被害は大きく、司令塔となる組織も同じようにその打撃を受けていた。震災後、各地から支援物資が届けられたが、時間とともに必要なものが次々と移り変わっていったため、何が必要か、何が必要ないか、何よりもまずスピードが求められていた。すぐに対応できなければ、必要なくなったものが支援物資として大量に届くことになるためだ。

そこで、必要なものを、必要な人に、必要な分だけ、届ける新たなしくみをめざし、“クジラではなく、小魚の群れになろう”をキャッチフレーズとして支援プロジェクトを立ち上げた。小魚の群れであれば、状況の変化に応じて、即座に対応し方向転換することができる。縦横無尽に組織の形を変え、機能しつづけることができるようなチームづくりをめざした。それが「ふんばろう東日本支援プロジェクト(以下、ふんばろう)」のはじまりだった。

「ふんばろう」は、中核はあっても内外の境界のないチームであった。そのため、多くのプロジェクトをとおして、被災した人たちを支援することができたのは、「できることをしよう」と自発的に行動した人々が数多くいたからだ。私はそれまでボランティアをやったこともなければ、プロジェクトを立ちあげたことも、事業を起こしたこともなかった。この未然のチームを実現するカギとなったのが“構造構成主義”であった。それは物事の本質からなる原理を把握する学問であり、“価値の原理”、“方法の原理”、“人間の原理”といった原理群からなる体系である。ここでいう“原理”とは、いつでもどこでも論理的に考えるかぎり、例外なく洞察できる普遍洞察性を備えた理路を指す。

本稿では、あなたの目的に応じた“チーム”のつくり方、つまり意志に応じて機能する“チーム”のつくり方の要となる“原理”についてご紹介したい。

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